写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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<   2006年 07月 ( 10 )   > この月の画像一覧

一匹狼のララバイ

どんな世界にも、仲間外れというものは存在する。

例えば、しりとりにおける『ん』の存在がそれである。存在自体がハブられている。しりとりにおいては最初と最後の文字がキーポイントとなるが、これに全く絡めないというか絡んだ時点でルール違反だ。『ん』くんの悲しみは想像を絶する。

だが、彼の場合はルール違反と認知されているからまだいい。『ん』はしりとりの表舞台には参加できなくても、その存在の重要性は確実に意識されている。皆さんも、ついつい「ハルマゲドン」などと最後に『ん』をつけそうになり、あわてて思いとどまった経験があるはずだ。そういう意味で、彼はまだ救われていると言えよう。

世の中、下には下がいるものだ。しりとりにおいて、『ん』より更に不遇な立場にいるのが『を』である。別に彼は、ルールによって仲間外れになっているわけではない。だからこそ、悲しいのだ。皆さんはしりとりで「『を』のつく言葉って何かあったっけなぁ……」と悩んだ経験があるだろうか?普通はない。『を』が最後につく単語など、存在するかどうかも怪しいからだ。

『を』で始まる単語が極端に少ないのに(私は乎古止点くらいしか知らない。しかも最後が『ん』だ)、『ん』と違ってルール違反にされないのはこのような事情があるからだろう。そもそも、主に単語で争われるしりとりで、現代仮名遣いにおいて助詞以外で用いられない『を』はでてきようがないのである。しりとりで最も冷遇されているのは、間違いなく『を』だ。

だが、彼は楽しいレクリエーションに参加できなくても、腐ったりはしない。仲間外れにされても、決して自分の職務を放棄することなどなく、今日も私たちの日常会話に登場し、与えられた役割を全うしているのだ。学校や職場で仲間はずれにされて、嫌な思いをしたことのある君。そのくらいの事で沈んでいてどうするんだい?他人に認めてもらえなくても、自分の信じた道を歩いていけばいいのさ。

『を』はいつだって俺たちを見守ってるんだからよ……!!
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by rei_ayakawa | 2006-07-30 14:51 | 日々

本当にあった怖い話

実は、ホラー映画とか大好きなのである。

中でも、好んで観るのはスプラッター系である。殺人鬼とかが登場して、血がブシュッグチャッウギャー!ってやつだ。鮮血が噴出すシーンを、ポテチをパリポリやりながらにやにやと観る。こうやって書くとあからさまに危ない人のようだが、その解釈は決して間違ってはいない。

ただ、だからと言って私が暴力的な人間かというと、そういうわけでもない。むしろ、人並み以上に暴力や血を嫌う傾向にある。

ちょっと前のことだが、私が洗い物をしていた時のことだ。私の前に立ちはだかるのは「空いた猫の缶詰」。軽く水で流してそのまま捨てればいいのだが、綺麗好きの私は、しっかりと洗ってから捨てようと思ってしまった。しかし、そんな私をあざ笑うかのように、缶詰の鋭利な切り口が私の指を襲う。ずばっ。ぎゃー。

(血が、血が、死ぬー、死ぬー!)と、どうしようもなく焦りまくる私。きれいに切ったらしく痛みはないが、なかなかの勢いで血が噴出している。近くにあったティッシュで止血を試みるが、全く止まるけはいがない。ここで事態は衝撃的な展開を見せた。血に弱い私は精神的ダメージにより、貧血を起こしてしまったのだ。変な汗が出てくる。吐き気がする。その場に膝を付く私。

結局、しばらくして出血は収まり、バンドエイドでぺたんとやって事なきを得た。しかし、この私の精神の脆弱さはどうしたことか。まるで、昔のアメリカ映画に出てくる貴婦人のようである。ブランデーをもってこい。

このようなケースに限らず、他人がケガをしているのを見るのも大嫌いだし、ケンカなんか微塵もしたいとは思わない。映画の場合はあくまで作り事の世界だから、楽しんで観ることが出来るのだ。ああ、こんな文章を書いていたら、あのときのことを思い出して、また頭がくらくらしてきた。

気分転換に『死霊のはらわた』でも観るか。
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by rei_ayakawa | 2006-07-27 22:21 | 日々

エラエラ

朝起きたら、首の左右にエラがありました。

首の右側にあったのは江良房栄(えらふさひで)でした。
江良房栄は戦国時代、大名の大内氏に仕えていた武将です。
陶晴賢が大内義隆に謀反を起こした際これに参加し、晴賢が大内氏の実権を握った後も、陶軍の主力として活躍。
知勇兼備の将でしたが、毛利元就の謀略により、主君晴賢から内通の疑いをかけられて殺されてしまいました。
悲しいですね。

首の左側にあったのはeraでした。
「時代」や「紀元」などと訳される英単語です。
The cold war era で「冷戦時代」。
The Christian era で「キリスト紀元(西暦)」という意味になります。
英和辞書って素晴らしいですね。

さて、二つのエラが私の首にできてしまったのですが、これは一体どういう意味に捉えればいいのでしょうか。
私は悩んでしまいました。
悩める美女って、おいしいシチュエーションですよね。
今の私の姿を誰かに写生してもらいたいくらいでしたが、残念ながらいつまでも悩み続けているわけには行かないのです。
人は、答えを出すことによって前に進んでいかなければならないのです。
ああ、諸行無常とは正にこのことです。
悲しくなってしまいます。
およよ。
あ、悲しみにくれる美女っていうのも、おいしいシチュエーションですよね。

その時です。
私の背筋に電撃が走ったような感覚がありました。
エロい意味ではありません。
ああ、なんということでしょう。
この現象の意味するところがわかったのです。

「江良房栄」と「era」。
つまり、「江良era」。
「江良の時代」です。
そう、これは「近いうちに江良房栄ブームが日本に吹き荒れるだろう」と言う意味だったのです!

「江良の時代」というくらいですから、それはもうものすごい規模の大ブームなのでしょう。
おそらく、今で言う織田信長並みの知名度と人気を誇るに違いありません。
優秀な武将であり、悲劇的な最後を遂げた江良房栄。
よく考えれば、人気が出ないわけがないのです。

きっと皆が皆、江良に夢中になるのでしょう。
街中では「江良ってエラいよねー」「江良はエーラー(えーなー)」などという言葉がそこかしこから聞こえくるのでしょう。
もし、「江良なんてエラん(いらん)」なんて言おうものなら大変です。
道行く人たちから兵糧攻めにあっても、文句は言えませんね。

私はこの衝撃的な真実を伝えるために、隣で寝ている夫を起こしました。
彼は私の首筋の江良とeraを見て、目を丸くしました。

「おいおい、いったいこりゃどうしたんだ?」
「なんか、起きたらこんなんなってたの」
「えぇーーーーー!」
「らぁーーーーー!」
「はっはっは。よく合わせてくれたね」
「あなたの考えることだもの。何でもお見通しよ」

私は、夫にこれから江良の時代が来るということを説明しました。
夫は感心したように頷きながら言いました。

「なるほど、江良の時代が来るのか。それは凄いね」
「でしょ?こんなマイナーな武将が注目されることになるなんて思わなかったわぁ」
「でも、だからといってどうというわけでもないよね」
「そうね」
「朝ごはんくれる?」
「うん」

こうして、いつもどおりの一日が始まりました。

この文章について
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by rei_ayakawa | 2006-07-22 20:23 | 空想

ジョニーとスティーブ

「ジョニー遅いなぁ……。もう、待ち合わせ時間を27分43秒も過ぎてるよ。何してるんだろう?」

「HEY!スティーブ」

「あぁ、やっと来たよ……。どうしたのさ?随分遅かったじゃないか」

「ごめんごめん、実はこれこれこういうわけでさ」

「『これこれこういうわけ』って言われても何がなんだかわからないよ、ジョニー。そういう手法を使うのは、小説やマンガの中だけにしてくれないか」

「HAHGHA!スティーブは頭が悪いなぁ」

「一部、ハードゲイになってるよ!」

「まぁ、そんなことより腹減ってないか?」

「うん、まだお昼食べてないからね。」

「俺は減ってない。ゲーセンでも行こうか」

「マジで?」

「嘘だよ」

「何がしたいの!?」

「それがわかったら、とっくに無職は卒業してるさ……」

「あ、ジョニー無職だったんだ」

「嘘だよ」

「ちょっと、ボク攻撃的になっちゃうよ?」

「初めてだから、優しくしてね……」

「これは一種の宣戦布告だよね」

「もうええわ。ありがとうございました」

「誰に言ってるの!?」

「お前バカだな。この手のネタは引き際が肝心なんだぞ」

「いや、そういう話をしてるんじゃないよ!大体、何でボクが『もうええわ』とか言われなくちゃいけないのさ?明らかにボクがツッコミ役だったじゃん」

「突っ込むだなんて、ジョニーはエロいなぁ」

「エロいのは明らかにスティーブだよ!」

「だよな」

「認めたよ!」

「だって、スティーブはお前じゃん」

「あ……」

「もうええわ。ありがとうございました」
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by rei_ayakawa | 2006-07-19 22:18 | 空想
先週の日曜日のことなのだが。

私は朝方、弟の部屋に乱入して、弟をたたき起こし、散々喋り倒して、再び自分の部屋に帰っていった……らしい。

要するに、私自身は全く覚えていないのだ。というか、私の記憶の中ではその時間、私も夢の中で「綾川さん、好きです!」「なに言ってるの、綾川さんはあたしのものよ!」「ちょっと、二人ともふざけないで!綾川さんは私のことが好きなの!」「はっはっは。まいったなぁ」だったはずなのである。

だから、前述の件については、弟に「あの後、目が冴えて眠れなかった」と文句を言われるまで知らなかった。彼が夢でも見ていたと思いたいところだが、「意識がはっきりしていたから夢じゃないと思う」などと主張を全く曲げやしない。ここまで言うのなら、おそらくは真実なのだろう。正直、あまり認めたくないことではある。だが、こうなっては認めざるをえまい。そう、宇宙人は実在する。

私は気がつかないうちに、宇宙人に囚われて、改造されて、思いのままに動かされてしまっていたのだ。全く、驚きの展開である。実を言うと、私は今までUFOなどには否定的なスタンスの人間だった。ヤキソバンなど論外だ。だが、これほどまでに明確な証拠を突きつけられては、ぐぅの音も出ない。おのれ宇宙人め、勝手に改造なんかしやがって。

だが、宇宙人の実在が証明されたことにより、今まで謎のまま終わっていた様々な疑問が氷解する。これは大きな収穫だろう。

たとえば、寝る前にちゃんと目覚ましをかけたのに、起きたら何故か完璧に寝過ごしていたことはないだろうか?もちろん、目覚まし時計は止まっている。まさしく恐怖のミステリーだが、宇宙人のしわざである。こうして、地球人の労働能力を損なわせるつもりなのだ。おのれ、宇宙人め!

また、TVゲームに夢中になっていたら、ありえないくらい時間が進んでしまっていたことはないだろうか。これも不可解な謎であったが、考えるまでもなく宇宙人のしわざである。無駄に時間を浪費させることが目的なのだろう。なんてやつだ、宇宙人め!

さらに、水着と下着は露出範囲がほとんど変わらないのに、水着は人目に触れさせてもOKとなっていることも大いなる神秘であったが、実際は神秘でもなんでもなかった。宇宙人のしわざだった。こうした矛盾を世に溶け込ませる事で、地球人の判断能力を奪おうとしているのである。恐ろしい悪魔の知恵だ。宇宙人め、許さん!

こうして、彼らは地球人の文明をじわじわと弱体化させていき、いずれは侵略活動に移るつもりなのだろう。自分たちの存在を表に出さずに、着々と地球侵略計画を進めているとは、なんて恐ろしい奴らだ。でも、よく考えたらあまりにもまどろっこしいやりかたではある。宇宙人はバカだ。

安心した。
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by rei_ayakawa | 2006-07-17 17:07 | 日々

ささやかに密やかに

大抵の人には、「人生で一度は経験してみたいこと」があるのではないだろうか。

私もご多分に漏れず、「一度は神になってみたい」というささやかな願いを持っている。神の力を持ってすれば、映画の上映中にトイレにいきたくなっても、終わるまで我慢することが出来るだろう。他にも「砂糖と塩を間違えたい」とか「一人浮かれてバカみたい(君の気持ちに気づかずに……)」なども一度は経験してみたい。

しかし、これらの願いは自分の力でどうにかなる物ではない。どう努力すれば神になれるのか分からないし、意識して砂糖の代わりに塩を入れても間違ったことにならない。「一人浮かれてバカみたい(君の気持ちに気づかずに……)」にいたっては、この状況を発生させる前提条件がよくわからない。

というわけで、運を天に任せるしかないのだが、やはり、天命を待つなら人事は尽くしておかねばならないだろう。今こそ、力の限り神頼みだ。今度神社に行ったときには、「神になれますように」と頼んでおくことにしよう。

一方で、世の中には「一度も経験したくないこと」というものも存在する。具体的には、「ラーメン伸びてミミズみたい」とか「睾丸潰されOh!痛い」とか「つけまわしてくる鼓笛隊」などだ。特に最後のやつは、想像するのも恐ろしい。

家路を急いでいると、どこからかドラムの音がする。振り向いてみると、なんと鼓笛隊が列を成して付いてきているではないか。私はあまりの恐怖にその場を全力で逃げ出した。しかし、鼓笛隊は一糸乱れず編隊を組み、私の後をつけまわして来る。全力で走っているのに、鼓笛隊との距離が離れることはない。私は、なにか悪い夢を見ているのではないかと思った。
(rei_ayakawa著『ゴジラ対鼓笛隊』より抜粋)


完全にホラーの世界である。つかまったらどんなことをされてしまうのか。彼らの目的はなんなのか。何で鼓笛隊なのか。少しもわからないところが恐怖を倍増させる。追いつかれたら、ドラムの上に載せられてポコポコ叩かれてしまうのではないだろうか。そして最後は変死体。ああ、こんな目には絶対に遭いたくない。

やっぱり、「鼓笛隊につけまわされませんように」と頼むことにしよう。
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by rei_ayakawa | 2006-07-14 20:14 | 日々

振り出しに戻る

「ユリはお前には渡さない!」
「ユリにふさわしいのはこの俺だ!」
「やめてー!二人とも私のために争わないでー!」
「わかった」
「わかった」
「わかるな!」

反省会。

まず口を開いたのはユウスケだった。

「いや……だってさ、あれじゃん。ユリが嫌がってるんだったらやめたほうがいいじゃん?僕、嫌われたくないしさ……」

ケンジもそれに乗っかる。

「だよなぁ?言われたとおりにしたのに、なんで俺たち正座した上に上腕二等筋を盛り上げてなくちゃいけないわけ?」

あーもー。

こいつら本当に何も分かってない。自分たちがなにをしたか少しもわかってない。ていうか、なにをしなかったかわかってない。あそこまでいったんだったら、せっかくだから力の限り争って欲しいと思うじゃない。血みどろの争いを繰り広げて欲しいと思うじゃない。私のために無様に傷ついて醜態をさらして欲しいと思うじゃない。

「そのくらい自分で考えたらどうなの?考えすぎて知恵熱出したらどうなの?その年になって爪を噛む癖直らないのどうなの?」
「いや、最後のは正直放っておいて欲しい」
「そーだよ、ケンジ。爪を噛むのよくないよ」
「お前もそこで乗ってくるなよ」
「あんたら、上腕二等筋の盛り上げが甘くなってるわ!気を抜くんじゃないよ!」
「はい、すみません!」
「すみません!」
「シンキングタイムをくれてやるわ。5分間、じっくりと何がいけなかったか考えるのね」

5分経過。

「さて、時間ね。さあ、二人とも。何がいけなかったのかわかった?」
「はい!」

ユウスケが元気よく手を上げた。前から思っていたけど、こいつはバカだ。何でこんな無駄にテンションが高いんだろう?

「ケンジの頭が悪いと思います!」

小学生か、こいつは。

「はいはい!」

続けてケンジも手を上げた。

「ユウスケの頭の方が悪いと思います!」

私の頭が痛くなってきた。

「ケンジの顔も悪いと思います!」
「ユウスケの息がくさいと思います!」
「お、おまえ、言ってはならないことを言ったな。ほのかな香りがすると言い直せ!」
「ほのかな臭みがすると思います!」
「グボェー!なんて野郎だ!てめぇの足なんかくさやの干物クラスじゃねぇか!」
「足がくさいのは老若男女問わず全人類共通の特徴だ水虫持ちが」
「僕水虫持ってないよ!?」
「うそだねうそだねうーそーだーねー」
「ふざけんな、食らえカラテチョップ!」
「なにしやがるカポエラキック!」

二人は取っ組み合いのけんかを始めている。本当になんでこいつらはこんなにバカなんだろう。水虫がどうとかそんなこと今はどうでもよくて……。はっ、今がチャンス!

「私のために争わないで!」
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by rei_ayakawa | 2006-07-12 17:48 | 空想

清く正しく斬新に

「尊敬する人物は?」と聞かれると答えに困る。

まぁ、無難に考えるなら「両親」とでも答えておけばいいのだろうが、答えとしてあまりにありきたりすぎる気がする。確かに尊敬していることは間違いないのだが、ありきたりなのはよくない。たとえば、私が意中の人に告白したとする。「付き合ってください!」「うーん、あなたの尊敬する人は?」「はい、両親です」「そんなありきたりな答えを言う面白みのかけらもないカスと付き合えるか!」「ひぃ」ああ、何たる惨劇。このような事態を防ぐためには、一体どうしたらいいのだろうか?

どうしたらもなにも、ありきたりじゃない答えを考えるしかあるまい。例えば、「蘇我入鹿」なんかはどうだろう?歴史上の偉人を尊敬する人物にあげている人は多いが、これはなかなか珍しいのではないだろうか。しかし、私は別に蘇我入鹿を尊敬していない。こんな事でわざわざ嘘をつくのも、どうかなぁとは思う。

いっそのこと、「私」とでも答えるか。これはなかなか斬新な答えなんじゃないかと思う。それに、決して嘘はついていない。ただ、わざわざそれを言うのも、あまりに傲慢なんじゃないかって気はする。うーん、難しいものだ。

あ、そうだ。

この状況設定にしたがって考えれば、相手はシャイな私が自分から告白するほどの女性なのである。だったら、話は簡単だ。こんな感じでやればいい。

「付き合ってください!」
「うーん、あなたの尊敬する人は?」
「あなたです」
「まぁ、なんて見る目のある方なんでしょう!」

よし、私かっこいいぞ。
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by rei_ayakawa | 2006-07-09 17:44 | 日々

ハートに火をつけた

空は晴れ晴れと澄み渡っていた。

今日は楽しいデートの火。
もくもくと黒い煙が立ち昇っている。
火は周りの建物に燃え移り、皆が暖かそうにまどろんでいる。
そんな光景を僕は目を細めながら見つめている。
彼女が笑いながら駆けよってくる。
僕も微笑みを浮かべて、彼女の顔面を殴りつける。
彼女はその場に倒れ伏す。
ああ、いつ見ても君はきれいだ。
彼女も笑顔で殴り返してくる。
僕はその場に倒れ伏す。

空には、抜けるような青空が広がっている。
煙がもうもうと立ち昇る。
風が、僕の頬を撫でる。
僕はゆっくりと起き上がる。

彼女は全てを包み込むような暖かい眼差しで、懐から拳銃を取り出す。
僕はそうはさせまいと、優しく微笑みながら蹴りを放つ。
僕の蹴りが彼女の手から拳銃を弾く。
彼女は楽しそうに笑みを浮かべている。
僕はロケットランチャーを取り出して、笑いながら構える。
彼女に照準を合わせて、ウィンクした。
微笑みを浮かべて撃ったロケット弾を、微笑みを浮かべた彼女が避ける。
彼女は懐から手榴弾を取り出す。
彼女は笑っている。
楽しそうに。
そんな君が大好きさ。
手榴弾のピンは抜かれた。
もう、後戻りは出来ないだろう。
僕は爆笑しつつ横っ飛びをして避ける。
町はほんのり暖かい。
火は山にも燃え移る。
山も笑っている。

世界を包むデートの火。
僕たちの愛は永遠。
僕は笑っている。
彼女も笑っている。
皆が笑っている。
町は笑っている。
山も笑っている。
海が笑っている。
太陽は笑っているし、空も笑っている。
アハハ。
アハハ。
アハハ。
アハハ。
アハハ。
アハハ。
アハハハハハハハハハハ。
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by rei_ayakawa | 2006-07-06 20:52 | 空想

ごっこ遊び

エレナの視点

私は奥様の寝室をノックした。
返事はない。
いつもの通りだ。
本当はわざわざこんなことをする必要もないのだが、主人の部屋に立ち入る以上、形式的な筋は通さなくてはならないと私は考えている。
室内に入り込み、無人の部屋のカーテンを開けると、窓からは朝の柔らかな光が差し込んできた。
私は、化粧台の上におかれている紙切れを手に取る。
これには、私が為すべき今日一日の仕事が記されているのだ。
こうして、私のメイドとしての一日は始まる。


メアリーの視点

カチャン、と嫌な音が鳴った。

「あ……」

私は呆然と立ち尽くした。
掃除の最中、手が滑って花瓶を落としてしまったのだ。
そばにいたアニーが声をかける。

「あーあ……やっちゃったね」

私は肩を落として「はい」と呟いた。
この家でメイドとしての仕事を始めてから2年くらい経つけど、未だにこんなヘマをしている自分が嫌になってくる。

「また、エレナさんに嫌味言われちゃうね。あの人、こういうときは元気なんだから。ナマハゲよ、ナマハゲ」
「ナマハゲってなに?」
「ああ、日本っていう国にそういう風習があるの。私も人づてに聞いた話なんだけど、要するに牛乳と特殊相対性理論の……」

その時、聞きなれた声が部屋の中に響いた。

「私もナマハゲが何かは知らないけど、とりあえず悪口であることはわかるわ」

私たちが声のした方を揃って振り向くと、メイド長のエレナさんが目を吊り上げて、入り口に立っていた。

「え、えれなさささささ」

アニーが凄く動揺している。
エレナさんはそんなアニーに構うことなく、私のそばまで近付いてきた。
私は気が重くなって、その場でうつむいた。
彼女は大きく一つため息を吐いて、口を開いた。

「メアリー、またやったのね?何回同じことを繰り返せば気がすむのかしら。あなたは、何かにつけてぼーっとしすぎなのよ。もうちょっとプロ意識というものを(中略)今回の件は私から奥様に報告しておくわ。それと、アニーには後で話があるから、覚悟しておきなさいね」

5分間に渡った小言が終わると、エレナさんはツカツカと靴音をたてながら、部屋を出て行った。
最後の一言で、アニーも灰のように白くなっている。

(やっぱり、向いてないのかな……)

そんな思いが一瞬頭をよぎった。
でも、自分で選んだ仕事だし、なにより、この仕事に私は生きがいを感じている。
自分からやめるなんて考えられない。

(やれるところまで、がんばろう)

私は、割れた花瓶の掃除に取り掛かり始めた。


エレナの視点

これも仕事だと、割り切ってはいる。
「口うるさいメイド長」という役割を演じるのが、私の仕事なのだ。
とはいえ、私の心の中に全く抵抗がないとは言えない。
なにしろ、この状況自体が異常極まりないのだから。

ことの始まりは、旦那様が亡くなられた直後のことだった。
奥様の突飛な要望は私たちを困惑させたが、私をはじめ全ての使用人が、「どうせ一時の気まぐれに過ぎない。すぐに飽きてしまうだろう」と思っていた。
しかし、話はそう簡単ではなかった。
それまでとはかけ離れた異質な環境に、奥様は限りない喜びを見出してしまったのである。

確かに、奥様のご要望に従うのが私たちの仕事だ。
報酬は申し分ないし、若い頃からここで働いているので愛着もある。
それでも時たま、どうしようもない虚しさを感じずにはいられない。


メアリーの視点

全ての仕事が終わった後、私は直接寝室には向かわず、『本来の私の寝室』へと向かった。
中に入り、化粧台の前に座る。
そこには、エレナからの報告事項が書かれた数枚のメモが置かれていた。
もちろん、今日の私の失敗もここには書かれている。
普段の私は、あくまで一人のメイドに過ぎないからだ。
私はそれらに目を通すと、メモを一枚取り出し、エレナに宛てて明日の予定表を書いた。
そしてカーテンを閉めると、私は『メイドとしての私の寝室』へと戻っていった。

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この作品について
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by rei_ayakawa | 2006-07-03 20:59 | 空想