写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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2006年 08月 17日 ( 1 )

ジャパン昔話

おばあさんが川で洗濯をしていると、「ボンバイェ!ボンバイェ!」と大きな猪木が流れてきました。

おやおや、これは大変じゃ。おばあさんはたいそう嫌な気分でしたが、流されている人をスルー出来るほど思いやりのない人ではなかったので、ともかく救い上げようとしました。しかし、モノは大きな猪木です。おばあさんの力では引き上げることなど出来ないでしょう。おばあさんは猪木に「ちょっと待っていておくれ」と言い残し、援軍を呼びにすたこらさっさと駆け出しました。

おばあさんがたどり着いたのは、桶狭間でした。「そこの織田信長さんや。あんた、猪木を助けに来てくれんかね?」信長は意味が分からず、首を傾げました。「猪木?えのき茸とは違うのか」「えのき茸なんかより、もっともっと大きくて強いんじゃ」「しかし、わしは今、今川軍の本隊を強襲中なのだ。悪いが、猪木などにかまっている暇はないのだよ」「ああ、なんて冷たい人!」おばあさんは泣きながら、その場を走り去りました。

おばあさんが次にたどり着いたのは、真っ黒い大きな船の上でした。「そこのぺりぃさんや。猪木さんを助けるのに、ちょいと力を貸してくれんかね?」「ホワーイ?アナタダーレディスカー?イノーキサンダレディスカー?」「猪木と言うのはの、大きくてしゃくれた……あんた、ぺりぃじゃないね!」「フォーク(放送禁止用語につき代わりの単語)!イキナリデーテキテニセモノヨバワリディースカ!プンプンデース!」「ふん!本物のペリーが、片言の日本語なんか喋るもんかい!あんた、何者だい!」「……クックック。まさかそんなことで見破られるとはな。おおよ、俺はペリーじゃないぜ!」偽ペリーは、顔につけたマスクを剥ぎ取りました。

「あ、あなたは……山へ芝刈りに行ったはずのおじいさん!」偽ペリーの正体は、山へ芝刈りに行ったはずのおじいさんでした。「なぜ、こんなところで偽ぺリーになっとるんじゃ?」おばあさんは疑問に思って聞きました。「ふ……男には色々あるものなのじゃよ。ああ、本当に色々あるのじゃよ。色々ありすぎるのじゃよ。わかったかの?」「わかりましたよ、おじいさん」おばあさんはわかったので、帰りました。

帰り道、おばあさんは海に沈む夕日を見て思いました。「ああ、なんと美しい夕日なのだろう。私たちは、自然と共に生きているということを忘れてはいかんのじゃ。沈む夕日が、昇る朝日が、浮かぶ雲が、生い茂る木々が、海が、山が、美しいと思える心を、亡くしてはいかんのじゃ」おばあさんの目から、光る粒が零れ落ちました。おばあさんは、沈む夕日をいつまでも眺めていました。いつまでも。いつまでも。

一方、猪木は「ダッシャ!ダッシャ!」と言いながら、流され続けていました。いつまでも、いつまでも。

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by rei_ayakawa | 2006-08-17 23:29 | 空想