写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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ノコギリ

「ノコギリ欲しい」と彼女がねだってきたのだが。

「何故ノコギリが欲しいの?」と僕が聞くと、「主にギザギザを楽しむため」と答えた。彼女のギザギザ好きにも困ったものだ。ところで、僕の朝食はプリンだった。プリンはギザギザしていない。この事実を伝えるべきだろうか。それとも、伝えぬべきだろうか。

プリンはプリンとしている。この事を伝えたら、彼女は僕のことを嫌いになってしまうかもしれない。僕は迷った。

「ノコギリ買ってー、買ってー」
「うるさい、黙っていろ。ただ今考え中だ」
「トゲトゲしいのは、嫌だよ」

わがままな女だ。大体、ギザギザしてたら必然的にトゲトゲしてるだろうが。僕はだんだん苛立ってきたし、全てがどうでもよくなってきた。いいんだ。言ってしまおう。どうってことはない。知ったことじゃないさ。僕は叫んだ。

「僕の朝食はプリンだ!」

彼女の顔から血の気が引いた。僕はひるまなかった。続けざまにまくし立てる。

「僕の朝食はプリンだ! プリンなんだ!」

彼女は泡を吹いて、スローモーションで倒れた、ように見えた。そんなにショックだったのか。僕は好かれていたのかもしれないな、と思った。泡を吹いた女性は、元がどうあれ、やはりあまりキレイではなく。

ああ、ノコギリが欲しい。
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by rei_ayakawa | 2008-06-10 22:13 | 空想