写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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運命的カップル

「天井と天丼の違いについて真剣に考察しようと思う」
「へぇ」

一応彼の立場はマイ・ラバーということになっているのだけれど、本当にそれでいいのだろうかと思うときもある。たとえば、今みたいな状況に直面したとき。

「天井と天丼は非常に似ている。違いは『井』の文字の中央に点があるかないかだけ。一見そう思ってしまうわけだが……」
「うん」
「しかし、本当にそうだろうか?」
「違うっしょ」
「君は頭がいいな」
「それほどでも」
「まず、『天丼』は出前で取れるが、『天井』は出前で取れない。これは大きな違いだ。『天丼』が必要なときは電話一本で取り寄せられるのに、『天井』が必要なときに電話をかけてもすぐに持ってきてはくれないのだ!」

何でこいつと付き合ってるんだろう?

疑問に思った回数は数知れない。本人は自分のことを「真実を追い求める求道者」とかほざいてるけど、ただの馬鹿という説がわたしの中では有力だ。

「さて、次に」
「もういいよ」
「何故?」
「興味ないもん」
「無気力な若者の典型だなぁ」
「そんなところに気力使いたくないよ」

彼は「ふん」と鼻を鳴らし、口元に手を当てて考え込むような体勢に入ってしまった。黙っていれば結構かっこいい。知性的にも見える。こういう姿を見るたびに、神様は残酷なことをなさったと思う。

「待て、今大変なことに気がついたぞ!」

急に彼が声を上げた。

「『天丼』は食えるが、『天井』は食えない!」

つ、疲れる……。

「その発見についてわたしはなんてコメントしたらいいと思う?」
「褒めていいよ」
「すごいね」
「サンキュ」

別に顔に釣られたつもりはないんだけどなぁ。

もちろん、顔以外にいいところが無ければとっくに別れているんだけれども、それらの美点が欠点を凌駕しているかと聞かれたらなかなか難しいところだと思う。今だって、「この研究成果を学会に発表するべきだろうか?」って真剣な顔で聞いてきてるし。どうするよ、こいつ。

「しかし、論文にまとめるとなるとめんどくせぇしなぁ。うーむ、迷うところだ」

それなのに、不思議と別れようって気も起きない。なんでだろ?これこそまさに『運命の相手』という見方もできなくは無いけど、認めるのはかなり癪だ。

まぁ、流されすぎるのも良くない。ここは一つビシッと言っておかないと。

「ていうかさ、もうちょっと高尚な話をしようよ。くだらなすぎるんだよね、考えることが」
「高尚な話ってなにさ」
「たとえば、『冤罪』と『変態』は何故似ているのかについての考察とか」
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by rei_ayakawa | 2008-04-13 21:31 | 空想