写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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コンビニ

「ここがコンビニだ、弟よ!」
「うわぁ、僕、コンビニってはじめてきたよ!」

まぁ、そんなわけだ。
俺と弟は近所のコンビニまで、日帰りで旅行に来ている。
徒歩十分の長旅だったので俺は少し疲れていたが、弟は初めて目にするローソンに目を輝かせていた。
よかった。
来たかいがあった。

「よし、それじゃあ入るぞ。弟よ」
「うん。これ、自動ドアって言うんだよね。僕、知ってるよ!」

俺も知っている。
知識としては。
弟に不安を与えないように黙っていたが、実は俺もコンビニに来たのは初めてなのだ。
というか、こんな長距離の旅行がまず初めてだ。
疲労と緊張はもはや限界に達しつつあるが、ここで座り込むわけにも行くまい。

「ああ、そうだ。足を乗せれば動くんだ」

テレビで見た感じ、これであっているはずだ!

「ほんとだ! すごいや!」

スライドする自動ドア。
俺は勝った。
問題なかった。
さすが俺だ。
すごいぞ。
すごい。

店内を見回すと、いろいろなものが置いてあった。
本当にいろいろある。
コンビニも俺に負けないくらい凄い。
弟がカメラを取り出して言った。

「店員さん、写真お願いします!」

さすがマイ・ブラザー。
全く物怖じしないな。
こいつもすごい。
なんだか、世の中の全てがすごく思えてくる。
旅行っていいもんだ。


写真に写るポーズは、斜め40度と決めている。


両手にいっぱいのおみやげを持った帰り道。
弟がなにやら取り出してまじまじと見ている。

「なんだそれ?」
「店員さんからもらったの」
「へぇ」
「あの人、優しかったね」
「うん」
「……ああ、わかった。これ、こう使うんだ」

弟にはわかったらしいが、俺には分からない。
どう使うんだろう。
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by rei_ayakawa | 2008-03-05 12:10 | 空想