旅行記 見知らぬ街
2008年 01月 04日
初めて訪れた街。
カフェのテラスで、懐かしい友人に会った。
コーヒーを飲んでいる僕に、彼から話しかけてきた。
「おまえ……もしかして、カズキか!?」
「いや、ダイチだけど」
「やっぱりか!俺だよ、トオルだよ!西川トオル」
会話の流れがさっぱり読めなかったが、その名前には聞き覚えがあった。
「有藤小学校平成8年度6年3組?」
「そうそう!いやぁ、懐かしいなぁ」
彼は僕の隣の席に腰掛けた。
無断で。
別に、それが悪いわけじゃないけど。
「お前は今何やってるんだ?」
「旅人、かな」
僕は読んでいた新聞を折りたたんで、机の上に放り投げた。
「そうか!立派だな!」
立派か?とは思ったが、無視して会話をつづけた。
「君はどうなの?」
「俺か?俺は天才だ」
彼は胸を張って言った。
「ふーん」
「俺はすごいぞ!」
誇らしげだった。
by rei_ayakawa
| 2008-01-04 22:50
| 旅行記