必殺の姉弟
2007年 11月 12日
あるところに、マイとセイジというとても仲の良い姉弟がいました。
弟のセイジは、マンガを読むのが大好きです。バームクーヘンも好きです。今日も、一人で部屋にこもりながらくだらないマンガを熟読していました。ところが、至福の一時を邪魔する足音がバタバタと聞こえてきたから、さぁ大変。お姉ちゃんのマイがドアを力いっぱい開けて侵入してきました。
「セイジ、大変よ!ねーちゃんえらいもん拾っちゃったのよ!」
「ふーん、そう」
孤独を愛するクール・ボーイは、マイの話よりもマンガに夢中でした。しかし、マイは構わず続けます。
「何だと思う?何だと思う?」
「なんだろうね」
「なんと、携帯式対戦車ロケットランチャーよ!校長室に落ちてたの」
「ふーん、そう」
まったく見向きもしなかったセイジでしたが、そこでハタと気がつきました。
「あ、でもそれはちょっと面白そうだね」
「でしょ!」
マイが自慢げに胸を張ります。セイジはしげしげと携帯式対戦車ロケットランチャーを眺めて言いました。
「僕、とりあえず撃ってみたいな」
「みたいよねー」
二人は外へと繰り出しました。
「ねーねー、ねーちゃん」
「何いきなり噛みまくってるの?」
「ちげーよ、バーカ。あそこにおばあさんがいるよ」
「そうね。撃ちましょう」
「まずは僕からね。死ぬがいい、ゴミムシどもめ」
絶叫は爆発音に紛れました。
「ふ、ふ、ふ。僕は世界の王だ!」
「セイジ、かっこいー!じゃ、私は長嶋やる!」
「言うと思ったよ。ふふふ」
二人はかわりばんこに、道行く人たちを虐殺していきます。
「あーはっはっはっは!」
「セイジ、笑いすぎだよ!人が死んでるのに、不謹慎だわ!」
「そ、それもそうだね。ごめん、反省するよ」
二人は沈痛な面持ちで、道行く人たちを虐殺していきます。さすがに通報されたのか、瞬く間に完全武装の警官隊が到着しました。
「まずい、かこまれたぜ!」
「くっ……もう逃げられないわね」
「いや、ねーちゃん、あきらめるのはまだ早いぜ!最後まで希望を捨てちゃだめだ!」
「だよね!」
マイとセイジは視線を交わし、共に大きくうなづきました。
「俺たちの戦いは」
「これから」
パーン。
「あ、ねーちゃん大丈夫?あ、だめだこれ死んでる」
パーン。
弟のセイジは、マンガを読むのが大好きです。バームクーヘンも好きです。今日も、一人で部屋にこもりながらくだらないマンガを熟読していました。ところが、至福の一時を邪魔する足音がバタバタと聞こえてきたから、さぁ大変。お姉ちゃんのマイがドアを力いっぱい開けて侵入してきました。
「セイジ、大変よ!ねーちゃんえらいもん拾っちゃったのよ!」
「ふーん、そう」
孤独を愛するクール・ボーイは、マイの話よりもマンガに夢中でした。しかし、マイは構わず続けます。
「何だと思う?何だと思う?」
「なんだろうね」
「なんと、携帯式対戦車ロケットランチャーよ!校長室に落ちてたの」
「ふーん、そう」
まったく見向きもしなかったセイジでしたが、そこでハタと気がつきました。
「あ、でもそれはちょっと面白そうだね」
「でしょ!」
マイが自慢げに胸を張ります。セイジはしげしげと携帯式対戦車ロケットランチャーを眺めて言いました。
「僕、とりあえず撃ってみたいな」
「みたいよねー」
二人は外へと繰り出しました。
「ねーねー、ねーちゃん」
「何いきなり噛みまくってるの?」
「ちげーよ、バーカ。あそこにおばあさんがいるよ」
「そうね。撃ちましょう」
「まずは僕からね。死ぬがいい、ゴミムシどもめ」
絶叫は爆発音に紛れました。
「ふ、ふ、ふ。僕は世界の王だ!」
「セイジ、かっこいー!じゃ、私は長嶋やる!」
「言うと思ったよ。ふふふ」
二人はかわりばんこに、道行く人たちを虐殺していきます。
「あーはっはっはっは!」
「セイジ、笑いすぎだよ!人が死んでるのに、不謹慎だわ!」
「そ、それもそうだね。ごめん、反省するよ」
二人は沈痛な面持ちで、道行く人たちを虐殺していきます。さすがに通報されたのか、瞬く間に完全武装の警官隊が到着しました。
「まずい、かこまれたぜ!」
「くっ……もう逃げられないわね」
「いや、ねーちゃん、あきらめるのはまだ早いぜ!最後まで希望を捨てちゃだめだ!」
「だよね!」
マイとセイジは視線を交わし、共に大きくうなづきました。
「俺たちの戦いは」
「これから」
パーン。
「あ、ねーちゃん大丈夫?あ、だめだこれ死んでる」
パーン。
by rei_ayakawa
| 2007-11-12 18:39
| 空想