写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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安眠の領域

うーん、どうにも寝付けない。

僕は身を起して、一つ溜息をついた。憂鬱の根拠は分かっている。暗い部屋に灯をともす。部屋を出て、博士の元へ向かった。この時間なら、まだ研究を続けているはずだ。願うところはただ一つ。悪夢の源泉を封じること。廊下は無機質な光に照らされている。

僕は研究室のドアを勢いよく開けた。

「博士、お願いがあります!」    「おお、P-17!聞け、大発見だ!」

「夢を見るためのパーツを        「不安の安は
取り外してください!」          安心の安だ!」

「最近、悪夢ばかり見て         「つまり、不な安心が
眠れないんです!」           不安なんだ!」

「ああ、このままでは          「故に、不安とは安心できないという
睡眠不足が極まりを見せ……」      意味の単語なんだ!」

「ちゃんと聞いてるんですか!?」    「ちゃんと聞いてるのか!?」

「だから、不安の安は        「だから、ナイトメアで
安心の安なんだよ!」        アイ・キャント・スリープなんですって!」

「くそっ、こいつまるで            「くそっ、こいつまるで
聞いていやがらねぇ」            聞いていやがらねぇ」

「僕はちゃんと聞いてますよ」    「いや、大丈夫、君の話も聞いているさ」

「要するに、夢を見るためのパーツを   「要するに、不安は否定された
取り除いてほしいのでしょう?」      安心なんだろ?」

「なんだ、わかってるんじゃないですか」 「なんだ、わかってるんじゃないか」

私は気を取り直して博士に切り出した。

「とにかく、悪夢のせいで寝付けないこと極まりないのだよ。なんとかしてくれたまえ」
「うーん、そんなこと言われてもねぇ」
「なんだ、できないのか?」
「そういうわけでもないんですが、それをやってしまうと生身のパーツがほとんどなくなってしまいますよ?」
「この際何でも構わんさ。悪夢から逃れられるなら」
「じゃあ、大幅な脳改造手術が必要ですね。さっそく準備しましょうか」
「うん、頼んだよ」

ああ、これでようやく眠れそうだ。

彼が準備している間、窓から外に広がる山脈を見ていた。荒れ果てた大地では、八百万の神々がフットサルをしている。
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by rei_ayakawa | 2007-10-03 21:04 | 空想