写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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NOUFU伝説

第一話 NOUFUは人類の救世主である。

「くっそぅ、徹底した食糧難で危機的な状況だ」
「待て……誰か来るぞ。あ、あいつはNOUFUだ!」

NOUFUが鍬を振り上げる。
NOUFUが鍬を地面に叩きつける。

「ああ……! NOUFUの力によって掃いて捨てるほどの米が降臨したぞ!」
「すげぇよ! 流石はNOUFUだ! ありがとう! いただきます!」

NOUFUは黙って親指を天にかざした。


第二話 NOUFUは挫けない。

たとえば、天変地異によってNOUFUの育んできたエナジーが虚空に舞った場合。

「ああ……NOUFUの力をもってしても、やはり天上界の意思には逆らえないのか」

NOUFUはただ、呟いた。

「その通りだよ。だからといって、どうということもないね」

NOUFUは鍬を振り上げる。
NOUFUは鍬を地面に叩きつける。


第三話 NOUFUは無敵である。

たとえば、ボクシングの世界王座決定戦の場合。

「さすがのチャンピオンでも今回は厳しいだろうな……」
「ああ……なにせ相手がNOUFUだからな」

NOUFUは鍬を振り上げる。

「な……馬鹿な! いかにNOUFUといえど、武器を使ったら反則負けになってしまうぞ!」
「いや、違う! あれはフェイントだ!」
「そ、そうか! あれならチャンピオンの視線は鍬に釘付けだ!」
「ああ、その隙をついて、NOUFUキックが炸裂したぞ!」

こうしてNOUFUはボクシング世界チャンピオンになった。


第四話 NOUFUは最速である。

「絵的にすごいものがあるな……」
「ああ、F1カーにトラクターが一台混ざっているんだからな……」

シグナルがグリーンに変わる。
天をつんざくような轟音が響き、一斉にマシンがスタートを切る。
その中から、他をぶっちぎって飛び出す一台がいた。

「あ、あれはNOUFUのトラクターだ!」
「ば、馬鹿な! いかにNOUFUといえど、トラクターでF1カーに勝てるはずが……」
「いや、よく見ろ! NOUFUが後ろから押してるんだ! NOUFU力駆動だ!」
「なるほど、それなら納得だな!」


第五話 NOUFUは人々の注目の的。

北春雄 学生 19歳
「いやー、NOUFUですか。なんていうか、憧れますよね。僕も将来はNOUFUみたいに、鍬ブーメランで大根を一刀両断できるようになりたいですね」

毒蝮治五郎 内閣総理大臣 62歳
「NOUFUは凄いね。鍬ブーメランで大根を一刀両断できるそうじゃないですか。凄いね」

江口早苗 主婦 42歳
「鍬ブーメランで大根を一刀両断しちゃうんでしょ?頑張ってほしいですよね。応援してます」

有藤健一 幼稚園児 4歳
「くわぶーめらん! くわぶーめらん!」


第六話 沈黙のNOUFU。

「本日、ナントカ銀行ナントカ支店が武装強盗団に襲撃されましたが、その場に居合わせたNOUFUにより即座に鎮圧されました」


第七話 NOUFUは人命尊重派。

「ああ、なんてこった! 少女がホームから転落してしまった! このままでは電車にミンチにされちまうぜ!」
「電車がきたぞ、くそっ! しかし、今でていったら俺まで轢かれちまうし……」

次の瞬間、客車の窓をぶち破って飛び出した影があった。

「あ、あれはNOUFUだ!」
「うおおおお! NOUFUが高速で電車の前方に回り込んだぜ! しかし、あのままじゃNOUFUまで……!」
「いや、NOUFUならおそらく……」

NOUFUは人々の期待にこたえた。
両の掌と額の三点で先頭車両を受け止め、電車を押し戻しながら線路を逆走して行き、その姿は遥か彼方へと消え去った。

「ありがとう、NOUFU!」
「ありがとう、ありがとう……!」

幸い、乗客に死人は出なかった。怪我人は出た。


最終話 NOUFUよ永遠に。

NOUFUが鍬を振り上げる。
NOUFUが鍬を叩きつける。
男は言った。

「悪いな。俺たちの運命を、お前一人に背負わせてしまって」

NOUFUは手を休め、汗をタオルでぬぐいながらにやりと笑った。

「なんだったら、お前もNOUFUになるか?」
「いや、それは断る」
「だろうな」

その時、地表をさわやかな風が横切り、NOUFUの体に癒しを与えた。

NOUFUは鍬を振り続けているだろう。
今日も、この星のどこかで。
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by rei_ayakawa | 2007-09-27 17:21 | 空想