写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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魔法少年アキラ

「君は今日から魔法少女として、わるいやつらと戦うんだにゃ!」
「ぼく、男なんだけど……」
「こ、これだからこの年頃のガキってやつは……」



「あ、そんなこと言ってる間にわるいやつが来たにゃ!」
「えー」

ずっしん、ずっしん! 凄い地鳴りが辺りに轟きました。

「ガハハハハ! オレは遠い国で起こった波が洗い流しきれない悲劇、毒と炎の使者、変態全身タイツ男だ!」

遠い国では老婆が海を見ていました。それはある朝の話。見えない星が、一つ増える。流れる。流れる。星が流れる。空には鉄の棺桶が編隊を成す。

一方、変態全身タイツ男はセクハラに精を出していました。道行く女性に片っ端からスキンシップと称したボディタッチを敢行していきます。

「くっそぉ、変態タイツ男め! アキラ、今こそ君の出番にゃ。魔法少女……じゃない、魔法少年に変身するんだにゃ!」
「変態全身タイツ男だよ?」
「……? 一瞬なにをぼくに求めてるのかわからなかったにゃ! んな微妙な違いどうでもいいからさっさとするにゃ!」
「はいはい」

しかし、冷静に考えれば、どうやって変身するのかを知りません。

「どうやって変身するの?」
「ああ、説明してにゃかったかにゃ。さっき渡した魔法のステッキを掲げて、呪文を唱えればいいにゃ。呪文は『光が、光がその速さを持って私を殺し、命は、命は太陽の浮き沈みとともに伸び縮みし、やがて憂鬱は悪意のない笑顔にかき消される』にゃ」
「覚えにくいな……ま、やってみる」

アキラはステッキを掲げて叫びました。

「『光が、光がその速さを持って私を殺し、命は、命は太陽の浮き沈みとともに伸び縮みし、やがて憂鬱は悪意のない笑顔にかき消される』!」

変態全身タイツ男は、その様子を見ながら思いました。(故郷に残してきた兄弟たちは元気にやっているだろうか……)そして、アキラの体を眩い光が包みました。

「スカートなんてはじめて履いたよ……あ、やば、変な趣味に目覚めそうかも」
「つーか、よく一発で呪文覚えられたにゃ……」

こうして対峙した魔法少年と変態全身タイツ男。あ、そういえば変態全身タイツ男は変態全身タイツ男といいながらブリーフ一丁でした。女装した女顔の少年とブリーフ一丁の成人男性との戦いです。危険な香りが漂いますね。変態全身タイツ男が叫びました。

「むむ、なんてことだ!魔法少女ならまだしも、魔法少年ではセクハラのしようもない!」

変態といえど、一から十まで変態なわけではないようですね。でも、考えてみれば日本では近代まで少年愛が盛んに行われていたわけですし、一概に少年愛嗜好を変態と呼ぶのも問題ですよね。まぁ、犯罪ですけどね。文句なしに。

「で、どうやって戦えばいいの?」

アキラが魔法ネコに聞きました。

「何はともあれ呪文だにゃ。『ママとパパがプロレスごっこ!? あたしも混ぜてもらおうかしら。ドキドキ初体験』と唱えれば、不思議なことが起こってどうにかなるにゃ」
「呪文なんだ、それ……」

変態全身タイツ男は、未だにどう戦えばいいのか迷っています。こいつには、セクハラ以外の戦闘方法が無いようです。そう考えると、アキラが男の子で良かったとも言えますよね。色々と。

「『ママとパパがプロレスごっこ!? あたしも混ぜてもらおうかしら。ドキドキ初体験』!」

その瞬間、不思議なことが起こりました。遠い国で。

「あー、不思議だー……」
「どうしました、大統領」
「唐突に核ミサイル発射したくなってきた」
「マジっすか? それはまずいですよ」
「あ、ダメ。我慢できないもん。ポチっとな」
「えー、マジかよー」

ミサイルは、変態全身タイツ男めがけて一直線。

「おかーさん、キノコみたいな雲だよ! 凄いよ!」
「本当ねぇ。なんて見事なんでしょう。あら、この大根安いわね」
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by rei_ayakawa | 2007-08-27 06:03 | 空想