写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

彼はカレー

僕が今正に、目の前のカレーに手をつけんとしたときであった。
カレーから、筋肉質の男が金色の光を放ちながら勢いよく飛び出してきたのだ。
僕のカレーが鮮やかに飛び散り、皿の上で誇らしげにふんぞり返る男が一人。
眩いばかりのにやけ面だ。

「私はカレーの精。願いを一つだけ、出来る範囲でそこはかとなく叶えてやろう」

人差し指を立てて偉そうに言ってはいるが、その内容は微妙に微妙を重ねたくらい微妙だ。
はっきり言って、とてもうざい。
僕の気分は、狂おしいほどカレーだったというのに。
願いはもう、決まっているようなものだった。

「とりあえず、僕のカレー返してよ」
「それは叶わぬ願いだ。私の力を大きく超えている」

えー。

「さぁ、早く他の願いを言え。私も暇ではないのだ」

この時点で、僕はこいつの使えなさを確信した。
暇じゃないらしいし、さっさと願いを言ってあげることにしよう。

「帰れ」
「それは叶わぬ願いだ。私の力を大きく超えている」

「うせろ」
「それは叶わぬ願いだ。私の力を大きく超えている」

「死ね」
「それは叶わぬ願いだ。私の力を大きく超えている」

……僕に一体どうしろというのか?
相変わらず、カレーの精は爽やかなにやけ面を顔面に貼り付けている。
ここまでくると、こいつに叶えられる願いなんていうものが存在するのかどうかすら、疑わしい。
とりあえず、僕は彼に疑問をぶつけてみた。

「君、どんな願いなら叶えられるのさ?」
「カレーが可能なことなら何でも出来るぞ」

もはや精霊である必要性がない。
[PR]
by rei_ayakawa | 2006-09-05 21:06 | 空想