写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

振り出しに戻る

「ユリはお前には渡さない!」
「ユリにふさわしいのはこの俺だ!」
「やめてー!二人とも私のために争わないでー!」
「わかった」
「わかった」
「わかるな!」

反省会。

まず口を開いたのはユウスケだった。

「いや……だってさ、あれじゃん。ユリが嫌がってるんだったらやめたほうがいいじゃん?僕、嫌われたくないしさ……」

ケンジもそれに乗っかる。

「だよなぁ?言われたとおりにしたのに、なんで俺たち正座した上に上腕二等筋を盛り上げてなくちゃいけないわけ?」

あーもー。

こいつら本当に何も分かってない。自分たちがなにをしたか少しもわかってない。ていうか、なにをしなかったかわかってない。あそこまでいったんだったら、せっかくだから力の限り争って欲しいと思うじゃない。血みどろの争いを繰り広げて欲しいと思うじゃない。私のために無様に傷ついて醜態をさらして欲しいと思うじゃない。

「そのくらい自分で考えたらどうなの?考えすぎて知恵熱出したらどうなの?その年になって爪を噛む癖直らないのどうなの?」
「いや、最後のは正直放っておいて欲しい」
「そーだよ、ケンジ。爪を噛むのよくないよ」
「お前もそこで乗ってくるなよ」
「あんたら、上腕二等筋の盛り上げが甘くなってるわ!気を抜くんじゃないよ!」
「はい、すみません!」
「すみません!」
「シンキングタイムをくれてやるわ。5分間、じっくりと何がいけなかったか考えるのね」

5分経過。

「さて、時間ね。さあ、二人とも。何がいけなかったのかわかった?」
「はい!」

ユウスケが元気よく手を上げた。前から思っていたけど、こいつはバカだ。何でこんな無駄にテンションが高いんだろう?

「ケンジの頭が悪いと思います!」

小学生か、こいつは。

「はいはい!」

続けてケンジも手を上げた。

「ユウスケの頭の方が悪いと思います!」

私の頭が痛くなってきた。

「ケンジの顔も悪いと思います!」
「ユウスケの息がくさいと思います!」
「お、おまえ、言ってはならないことを言ったな。ほのかな香りがすると言い直せ!」
「ほのかな臭みがすると思います!」
「グボェー!なんて野郎だ!てめぇの足なんかくさやの干物クラスじゃねぇか!」
「足がくさいのは老若男女問わず全人類共通の特徴だ水虫持ちが」
「僕水虫持ってないよ!?」
「うそだねうそだねうーそーだーねー」
「ふざけんな、食らえカラテチョップ!」
「なにしやがるカポエラキック!」

二人は取っ組み合いのけんかを始めている。本当になんでこいつらはこんなにバカなんだろう。水虫がどうとかそんなこと今はどうでもよくて……。はっ、今がチャンス!

「私のために争わないで!」
[PR]
by rei_ayakawa | 2006-07-12 17:48 | 空想