写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

ごっこ遊び

エレナの視点

私は奥様の寝室をノックした。
返事はない。
いつもの通りだ。
本当はわざわざこんなことをする必要もないのだが、主人の部屋に立ち入る以上、形式的な筋は通さなくてはならないと私は考えている。
室内に入り込み、無人の部屋のカーテンを開けると、窓からは朝の柔らかな光が差し込んできた。
私は、化粧台の上におかれている紙切れを手に取る。
これには、私が為すべき今日一日の仕事が記されているのだ。
こうして、私のメイドとしての一日は始まる。


メアリーの視点

カチャン、と嫌な音が鳴った。

「あ……」

私は呆然と立ち尽くした。
掃除の最中、手が滑って花瓶を落としてしまったのだ。
そばにいたアニーが声をかける。

「あーあ……やっちゃったね」

私は肩を落として「はい」と呟いた。
この家でメイドとしての仕事を始めてから2年くらい経つけど、未だにこんなヘマをしている自分が嫌になってくる。

「また、エレナさんに嫌味言われちゃうね。あの人、こういうときは元気なんだから。ナマハゲよ、ナマハゲ」
「ナマハゲってなに?」
「ああ、日本っていう国にそういう風習があるの。私も人づてに聞いた話なんだけど、要するに牛乳と特殊相対性理論の……」

その時、聞きなれた声が部屋の中に響いた。

「私もナマハゲが何かは知らないけど、とりあえず悪口であることはわかるわ」

私たちが声のした方を揃って振り向くと、メイド長のエレナさんが目を吊り上げて、入り口に立っていた。

「え、えれなさささささ」

アニーが凄く動揺している。
エレナさんはそんなアニーに構うことなく、私のそばまで近付いてきた。
私は気が重くなって、その場でうつむいた。
彼女は大きく一つため息を吐いて、口を開いた。

「メアリー、またやったのね?何回同じことを繰り返せば気がすむのかしら。あなたは、何かにつけてぼーっとしすぎなのよ。もうちょっとプロ意識というものを(中略)今回の件は私から奥様に報告しておくわ。それと、アニーには後で話があるから、覚悟しておきなさいね」

5分間に渡った小言が終わると、エレナさんはツカツカと靴音をたてながら、部屋を出て行った。
最後の一言で、アニーも灰のように白くなっている。

(やっぱり、向いてないのかな……)

そんな思いが一瞬頭をよぎった。
でも、自分で選んだ仕事だし、なにより、この仕事に私は生きがいを感じている。
自分からやめるなんて考えられない。

(やれるところまで、がんばろう)

私は、割れた花瓶の掃除に取り掛かり始めた。


エレナの視点

これも仕事だと、割り切ってはいる。
「口うるさいメイド長」という役割を演じるのが、私の仕事なのだ。
とはいえ、私の心の中に全く抵抗がないとは言えない。
なにしろ、この状況自体が異常極まりないのだから。

ことの始まりは、旦那様が亡くなられた直後のことだった。
奥様の突飛な要望は私たちを困惑させたが、私をはじめ全ての使用人が、「どうせ一時の気まぐれに過ぎない。すぐに飽きてしまうだろう」と思っていた。
しかし、話はそう簡単ではなかった。
それまでとはかけ離れた異質な環境に、奥様は限りない喜びを見出してしまったのである。

確かに、奥様のご要望に従うのが私たちの仕事だ。
報酬は申し分ないし、若い頃からここで働いているので愛着もある。
それでも時たま、どうしようもない虚しさを感じずにはいられない。


メアリーの視点

全ての仕事が終わった後、私は直接寝室には向かわず、『本来の私の寝室』へと向かった。
中に入り、化粧台の前に座る。
そこには、エレナからの報告事項が書かれた数枚のメモが置かれていた。
もちろん、今日の私の失敗もここには書かれている。
普段の私は、あくまで一人のメイドに過ぎないからだ。
私はそれらに目を通すと、メモを一枚取り出し、エレナに宛てて明日の予定表を書いた。
そしてカーテンを閉めると、私は『メイドとしての私の寝室』へと戻っていった。

---



■□■□■□■【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■
【ルール】
 お題の記事に対してトラックバックしてボケて下さい。
 審査は1つのお題に対し30トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に
 お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。
 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)、
 同一人物が複数のブログで1つのお題に同時参加するのは不可とします。

 企画終了条件は
 全10回終了後、もしくは企画者が終了宣言をした時です。

 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

『第7回TBボケお題発表』参加作品です。

お題はこちら。
『 あなたのお家の、自慢のメイド(執事)って? 』
[PR]
by rei_ayakawa | 2006-07-03 20:59 | 空想