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写真の子は恥ずかしがりやさんなので、これ以上出てきてくれません。


by rei_ayakawa
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私が当てもなく道をぶらぶら歩いていると、一人の老人が道端に座り込んでいるのが見えた。



私は疑問に思って聞いてみた。

「どうしてそんなところに座り込んでいるのです?」

老人は答えた。

「疲れたからさ」

私は再び質問した。

「何故そんなに疲れているのですか?」

老人は答えた。

「ここまでずっと歩いてきたからね」

私は辺りを見回した。道の周りには何もなく、ただ広い平原が広がっていた。日が沈みかけている。夜になれば冷え込む。こんなところで座り込んでいたら、凍え死んでしまうのではないか。

「早く歩き出さないと、日が暮れてしまいますよ」

老人は答えた。

「だって、疲れたんだもん!」

いい年して「だもん」とか言ってしまっていいのだろうか?と私は疑問に思い、この老人が特別養護老人ホームから逃げ出してきたのではないかと考えたのだが、別にそんなことはどうでもよかった。

「このままじゃあなたは凍えてしまいます」

老人は答えた。

「俺には熱いハートがあるから大丈夫さ」

なるほど、それなら大丈夫だよなぁって納得してたまるかこの野郎。

「心だけじゃ寒さはしのげませんよ」

老人は答えた。

「心をなくしちゃしのげるものもしのげんよ」

う、なんかかっこいいこと言われた。言っていることは確かにかっこいいが、かっこいいだけだ。かっこよさだけで生きていけると思うな。時には現実を見つめて醜態をさらすことこそが、人間らしさというものではないのか。

「とにかく、早くここから立ちましょう。あと1キロもいけば、宿があるはずです」

老人は答えた。

「君は、疲れきっている老人になにがなんでも歩けと言うのかね?」

私は言った。

「しかたないでしょう。歩かないことには、あなたはここで死んでしまうかもしれない。見殺しには出来ませんよ」

老人は答えた。

「大丈夫、さっきタクシー呼んどいたから」
by rei_ayakawa | 2006-04-11 17:48 | 空想